ギャンブルや浪費でも免責されるのか?

 借金問題に悩む方の中には、「自分の借金はギャンブルや買い物が原因だから、自己破産なんて認めてもらえないだろう……」と諦めてしまっている方が少なくありません。

結論から申し上げます。たとえ原因がギャンブルや浪費であっても、多くの場合、自己破産によって借金をゼロにできる可能性があります。

今回は、法的な壁となる「免責不許可事由」と、それを乗り越えるための「裁量免責」について、弁護士が分かりやすく解説します。


1. 法律上のルール:ギャンブルや浪費は「免責不許可事由」

自己破産には、裁判所が「この借金は帳消し(免責)にしなくてもよい」と判断する基準があります。これを免責不許可事由と呼びます。

破産法第252条第1項には、以下のようなケースが免責を認めない理由として挙げられています。

  • パチンコ、競馬、競艇などのギャンブル
  • ブランド品の購入や過度な外食などの浪費
  • FXや仮想通貨、株などの射幸行為(投資失敗)

【用語解説:免責(めんせき)とは?】 裁判所が、借金の支払い義務を法律上消滅させることを指します。これが認められて初めて、借金がゼロになります。

これだけを聞くと「やはり自分は無理だ」と感じるかもしれません。しかし、ここで重要になるのが「裁量免責」という制度です。


2. 救済のチャンス「裁量免責」とは?

「免責不許可事由」に該当していても、裁判所が諸般の事情(反省の度合いや現在の生活状況など)を考慮して、特別に免責を許可してくれる仕組みがあります。これが裁量免責(さいりょうめんせき)です。

実務上、ギャンブルや浪費が原因であっても、誠実に対応すれば、この裁量免責によって最終的に借金が免除されるケースがほとんど(全体の9割以上)です。

裁量免責を勝ち取るための3つのポイント

裁判所は、単に「借金を消してほしい」という願いを聞くわけではありません。以下の姿勢が厳しくチェックされます。

  1. 事実を正直に話すこと 借金の理由を隠したり、嘘をついたりすることは絶対NGです。虚偽の報告は、それ自体が新たな免責不許可事由になります。
  2. 深く反省し、生活を改めていること 家計簿をつけ、ギャンブルや浪費を一切断ち切っている姿勢を裁判所(および破産管財人)に示す必要があります。
  3. 裁判所の手続きに協力すること 書類の提出期限を守る、呼び出しに応じるなど、真摯な態度が求められます。

3. ギャンブル破産で注意すべき「管財事件」

ギャンブルや浪費が原因の場合、手続きが少し複雑になる傾向があります。

通常、財産がない方の破産は「同時廃止」という簡易な手続きで済みますが、免責不許可事由がある場合は「管財事件(かんざいじけん)」になる可能性が高いです。

  • 破産管財人が選任される: 裁判所から選ばれた弁護士(破産管財人)が、あなたの反省状況や家計を調査します。
  • 予納金(費用)が発生する: 裁判所に納める費用(引継予納金)として、一般的に20万円〜が必要になります。
  • 期間が長くなる: 調査が行われるため、同時廃止よりも数ヶ月程度時間がかかります。

4. ひとりで悩まず、弁護士に相談すべき理由

「自分のケースでも免責されるのか?」という不安は、専門家である弁護士に相談することで解消できます。

  • 裁量免責を得るためのアドバイス: どのような点に注意すべきか、家計をどう立て直すべきかを具体的に指導します。
  • 破産管財人への適切な対応: 管財事件になっても、弁護士が代理人としてあなたをサポートします。
  • 督促を止められる: 弁護士が受任通知を送ることで、貸金業者からの取り立てはすぐにストップします。

まとめ:もう一度やり直すチャンスはあります

ギャンブルや浪費で借金を作ってしまったことに対し、強い罪悪感を抱いている方は多いです。しかし、破産法という法律は「一度失敗した人を一生苦しめるため」にあるのではなく、「経済的に立ち直るチャンスを与えるため*に存在します。

「ギャンブルだから無理だ」と自分で決めつける前に、まずは勇気を出して専門家に相談してください。

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