自己破産とは何か
自己破産とは、破産法に基づいて行われる法律上の手続です。
債務者が「支払不能」の状態にある場合に、裁判所へ申立てを行うことで手続が開始されます。
自己破産が認められると、一定の場合を除き、借金の支払義務が免除(免責)されます。
これは、債務者に経済的な再出発の機会を与えることを目的とした制度です。
自己破産が認められる要件|「支払不能」とは
自己破産が認められるためには、「支払不能」であることが必要です。
破産法では、支払不能について次のように定義されています(破産法第2条第11号)。
債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態
この定義を整理すると、判断基準は以下の4点です。
支払不能の判断基準(実務上の整理)
- 支払能力を欠いていること
- 弁済期にある債務を支払えないこと
- 一般的かつ継続的に債務を弁済することができないこと
- 客観的に見て支払不能の状態にあること
これらは総合的に判断されます。
【実務的な考え方】
- 借金返済のために新たな借入れを繰り返している
- 毎月の収入では最低限の生活費と返済を両立できない
このような状況であれば、支払不能と判断される可能性が高いといえます。
自己破産のメリットと注意点
メリット
- 借金の支払義務が免除される可能性がある
- 返済に追われる生活から解放される
- 経済的再建・社会復帰を目指せる
注意点
- 一定以上の財産は処分対象になる
- 官報に氏名等が掲載される
- 手続内容によっては職業制限が一時的に生じる場合がある
自己破産の手続きの流れ
ここでは、一般的な自己破産手続の流れを時系列で説明します。
① 弁護士への相談
現在の借金額、収入、財産状況を整理し、自己破産が適切か検討します。
② 受任
弁護士が正式に事件を受任します。
③ 債権者へ受任通知を送付
受任通知が送付されると、原則として債権者からの直接の取立ては止まります。
④ 申立て準備
必要書類の収集・作成を行います。
⑤ 裁判所へ破産申立て
管轄の地方裁判所に申立書を提出します。
⑥ 破産手続開始決定
裁判所が破産手続開始を決定します。
この段階で、以下のいずれかに分かれます。
- 同時廃止事件:財産がほとんどない場合
- 管財事件:一定の財産がある場合等
⑦ 管財人調査・債権者集会(管財事件のみ)
破産管財人による調査や、債権者集会が行われます。
※同時廃止事件では通常省略されます。
⑧ 免責審尋
免責を認めてよいかについて、裁判所が確認します。
⑨ 免責許可決定
免責が許可されると、借金の支払義務が免除されます。
